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遺産の分割

被相続人が死亡することによって被相続人の財産は、相続人に移転します。相続人が複数いる場合、その相続財産は相続人の共有(共同所有)になります。
共有(共同所有)といっても財産の種類によってその内容は違ってきます。

可分債権(分けることのできる債権)の場合(例:貸付金のような金銭債権)

相続分に応じて法律上当然に分割される。

不可分債権(分けることのできない債権)の場合(例:家1棟を引渡してもらうような債権)

共同相続人全員が共同して、または各人が全員のために履行(引渡し)を請求できる。

可分債務(分けることのできる債務)の場合(例:借金のような金銭債務)

相続分に応じて法律上当然に分割される。

不可分債務(分けることのできない債務)の場合(例:家1棟を引渡さなければいけないような債務)

各人が全部について履行(引渡し)の責任を負う。

連帯債務の場合
具体例
具体例

Aが死亡した場合Xが請求できる金額は・・・
Bに対して、2000万円
Lに対して、2000万円×1/2=1000万円
Mに対して、2000万円×1/4=500万円
Nに対して、2000万円×1/4=500万円

連帯債務とは・・・

(通常の債務)
A、B2人がXから2000万円借りた場合、XはAに対して1000万円、Bに対して1000万円返せと請求できる。Aは、1000万円返せば、2000万円全額返済していなくても、「自分の分は返したから、残り1000万円はBに請求してね。」と言える。
(連帯債務)
連帯債務の場合、XはAに対して2000万円返せと請求できる。Aは、1000万円返しても、「自分の分は返したから、残り1000万円はBに請求してね。」とは言えない。
当然ですが、Xは、Aから2000万円、Bからも2000万円返してもらえるわけではない。どちらかが2000万円返したら、返済は終わり。仮にAが2000万円返した場合、A、B間で不公平が生じないようAはBに対して「1000万円、僕に返してね。」と言える。

遺産分割をすると、その効力は相続開始の時から生じることとなります。ということは、共同相続人の共有状態はある意味暫定的なものといえるでしょう。
遺産分割は、共同相続人全員の同意があれば自由に分割することができますが、法律上一応の基準は示されています。

民法906条(遺産の分割の基準)

遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

分かるような分からないような基準ですが、共同相続人間でなるべく公平に分けましょうということです。
相続人は、原則いつでも他の相続人に対して遺産分割を要求することができます。遺産分割の要求を受けた相続人は、遺産分割協議に応じる義務を負います。他の相続人が遺産分割協議に応じない場合、家庭裁判所に遺産分割を請求することができます。

遺産分割の方法

遺産分割には、指定分割、協議分割、審判分割の3つの方法があります。

指定分割

指定分割とは、被相続人が遺言で遺産分割の方法を定め、もしくは遺産分割の方法を定めることを第三者に委託することです。要するに、被相続人が生前に自分の財産の分配について定めておくことです。

協議分割

協議分割とは、共同相続人が協議によって遺産を分割することです。

審判分割

審判分割とは、共同相続人間で遺産分割協議が調わないか、協議することができない場合に家庭裁判所の審判によって遺産を分割することです。

遺産分割協議(協議分割)

遺産分割は、共同相続人全員の同意があれば自由に分割することができます。一般的な方法として現物分割、代償分割、換価分割の3つの方法があります。

現物分割

相続財産をそのままの形で分ける方法です。
例えば、土地と建物は相続人Aが、預貯金は相続人Bが、車と株式は相続人Cがもらうというように相続財産を分ける方法です。

代償分割

相続財産をもらった人は、その代償として他の人に何かをあげるという方法です。
例えば、相続人Aが相続財産をもらう代わりに、相続人Bに1000万円支払うというように相続財産を分ける方法です。

換価分割

相続財産を現金に換えて現金を分割する方法です。

相続債務について

相続債務は、遺産分割の対象とならないとされています。例えば、被相続人に借金が1000万円あったとします。債権者(お金を貸した人)は、被相続人は貯金が1億円あるから返してもらえるだろうとお金を貸しました。それなのに、その借金については、相続人Aだけが引き受け、貯金は相続人Bがもらうという遺産分割協議が成立し、それが有効だとすると、債権者(お金を貸している人)は想定外の不利益を被ることになり、とても不公平です。このような理由から、相続債務の分割については、債権者の同意がなければ、その効力を債権者に主張できないとされています。

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